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遷延しやすいものも

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根気よく付き合う

うつ病は基本的にほとんどがよくなる病気ですが、一部に治癒するまでに時間がかかるものがあるのも事実です。治療経過が長期間にわたるものは遷延性うつ病といわれています。遷延しやすいうつ病の代表格が難治性うつ病です。うつ病という診断が的確で、かつ薬物治療も標準的な治療法に従って的確に行われているにも関わらず、効果が見られない、極めて不十分な場合を指します。この場合は、抗うつ剤の量や種類を調整したり、患者によっては認知行動療法や対人関係法などの精神療法をおこなったりすると効果があらわれることもあります。それでも改善しない場合には、電気けいれん療法によって効果がみられることもあるうつ病です。また、うつの中には、幻覚や妄想をともなうものや、まったく動かなくなってしまう昏迷状態に陥る重度のものもあります。その場合は治療をしていてもどうしても治癒までに時間がかかることがあります。そして、高齢者は身体的な病気からうつ病を発症しやすく、絶望的になることが多いです。周囲にうつであることを知られないようにふるまうことも多いので、治療を開始するのが遅れがちなので注意が必要です。加えて、高齢者は、緑内障や心臓病などのために、抗うつ剤とくに三環系の抗うつ剤が十分に投与できず、治癒に時間がかかる場合があります。合併症で薬が使えない場合には、精神療法などが中心になりますが、複数の疾患がある場合には治癒を目指すのは難しいと考え、症状の緩和を優先することもあります。ほかにも、本人がうつ病であることを受け入れられない場合があります。そのため、薬をきちんと飲まない、ドクターショッピングをするなど適切な治療が行えない場合も遷延化するので注意が必要です。基本的に一人暮らしやサポートが受けにくく治療環境が整わない場合には、入院をすすめられることもあります。精神科で入院と聞くと、ぎょっとする人もいますが、入院すると外界とのかかわりをある程度遮断できるので、仕事や人間関係の影響なども上手に断ち切ることが可能です。外来での服薬治療がうまくいかない場合は、入院したほうが本人の症状の変化や訴えに合わせて薬の微調整を行いやすいのが特徴です。飲み忘れはもちろん防ぐことができますし、十分に経過を観察できる状態となるため、薬の量や種類による詳細な変化を観察し、調整をおこなっていきます。また、薬に対して抵抗がある場合なども、一時的に入院し生活することで服薬することへの安心感を促すこともあります。環境が整わない場合には有効な手段です。入院中は血液検査や画像検査、心理検査なども行えますのでより正確に状態を把握することができます。なかなか治癒しないと気持ちに焦りがでてきますが、このように一時的に入院をすることで回復に向かいやすくすることも可能です。高齢者の場合も、症状が重く身体衰弱が激しい場合には、入院して身体管理を行いながら治療していくことになります。昏迷状態や不安や焦燥が著しい時や、食欲の低下、拒食などの症状がみられることもありますので、その際は入院が選択されます。退院後の回復がスムーズにいくことも多いので検討する価値はある治療法です。